佐藤高子さんの訳は、ほんとにすごいですね。ムシノスケの言葉遊びが、日本語にもうまく反映されています。この章でも、早速出てきてます。 脚を折った木挽き台の馬に、ムシノスケが「馬ってのはね、"骨を折って"調教しなきゃ使い物にならないんです」(ハヤカワ文庫より)と言ってます。原文では「For a horse is never much use until he has been broken」。 ここでのbreakは、馬の馴致をすること。「骨を折って」を入れることで意味も通じるし、言葉遊びも残されています。すごいな〜。
でも、次のムシノスケの言葉遊びに全員が不快感を示すのは、なぜだかよくわかりません。horse-and-buggyってやつです。しつこいから?つまらなさすぎるから?なぜなんでしょう?
この次のくだりは、なんだか「大人の英語」って感じですね。遠回しに間接的に話すっていうところが。かかしがこんなに遠慮がちに言うのって、あんまりないような気がします。ブリキの木樵りが斧で他人を脅すっていうのも。ムシノスケ、よっぽど変人らしいですね?(でもそこがいまいちピンとこないところがカナシイですが(;_;))
ブリキの木樵りが野ネズミの女王を呼びだすときに使った銀の呼子笛(silver whistle)。これって、今は亡き西の悪い魔女の持っていた笛でしょうか?オオカミやカラスたちを呼びだすのに使っていた、あの笛?「a silver whistle」とtheではなくaになっているので、「あの」ということではなく単に一つの笛っていう扱いですが…いや、私は個人的にあの笛だと思います。(^^)木樵りが魔女の城で見つけたにちがいありません!みなさんもそう思われません?!(^^)
野ネズミの女王はネズミ語で家来たちに話したので、かかしたちの誰も女王がなんと言ったのかわかりませんでした。オズの中では一つの言葉だけしかないのかと思っていましたが、ネズミは別だったのですね。
モンビは術を駆使して一行がエメラルドの都に戻るのを阻止しようとします。40本の道がぐるぐる回るところは、5作目の「オズへつづく道」の最初で、ドロシーが5本の道で迷うところとよく似ていますね。あれはオズマの術でしたが、もしかしたら、オズマはこのモンビの技を身に付けたのでしょうか?
モンビの火の術には、ブリキの木樵りを除く全員が大慌て。まだここでも「オズでは誰も死なない」っていう設定はないように思えます。
ムシノスケはこの魔法の連続に驚いているようですが、モノシーリイ教授は魔法のことについては何も教えてなかったのでしょうか?<自然界の法則>ばかりで?とすると、モノシーリイ教授は、オズの住人にしては珍しい人ですね。もしかしたら、教授も、外の世界(私たちの世界)からオズに永住した組かもしれませんね。(^^)
ここでかかしの名言が出ます。All magic is unnatural, and for that reason is to be feared and avoided.(すべての魔法は変則である。ゆえにおそれられ、かつ避けられるべきものである。−ハヤカワ文庫より)
なるほどねぇ。魔法がなぜ恐れられるのか、考えたこともなかったですが、こういう理由からなのかなあと納得してしまいました。
野ネズミの女王の道案内のおかげで、一行は無事にエメラルドの都まで帰りつきます。
- 2009/11/07(土) 17:35:33|
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ここ、何回読んでも、なあんかヘンだよなぁ?って煙にまかれたような気になるのですが…magnifying-glassって拡大鏡、ですよね?ルーペのようなものかと思いきや、それをスクリーンに映し出している…ってことは、投影機のようなもの?なのかな? でも、その投影された大きな像が逃げ出してそのまま生きていられるって…え?元の実像はどうなっちゃったの?って…思いますよね??
いや、これは、ルーペだとか投影機だとか、私たちの世界の尺度で考えようとするから、わけわかんなくなっちゃうのかなぁ?モノシーリイ教授は「my famous magnifying-glass」って言ってます。何か特別なものなのかもしれません。おとぎの国オズの話ですからね。例えば、ドラえもんでいうところのガリバートンネル的なものとか(^^)あるいはど根性ガエルのピョン吉…っていうのは例えが古すぎですか…(^^;)
まあとにかく、めでたく大きくなったムシノスケ。あのへんてこりんな服装は、命を救ってやった仕立て屋からのお礼のプレゼントだったことがここでわかりました。そうだったんですね〜。うーん、でも仕立て屋さん、余り布で作ったんじゃない?在庫処分にちょうどいいや、ってな感じで。ついつい疑ってしまいます。だって、あのセンスはちょっと…(^^;)
前の章で、馬に乗るべきはジャックじゃなくてかかしなんじゃ?と書きましたが、ジャックは関節が弱いから長い距離は歩けないんですね。なるほど。よく考えてみれば、あんなに重そうなカボチャを木の皮や枝でささえてるんですものね。しっかり首にもささってないようだし。
それにしても木挽き台の馬は口が悪いですね。
- 2009/11/07(土) 00:01:28|
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ジンジャー将軍はちゃんとかかしの行き先を読んでましたね。木樵りと合流すること、お見通しでした。モンビを呼んで、助けを求めます。
ほいほいと二つ返事でやってきたモンビは、早速塔にこもって魔法三昧。かかし一行はすっかり翻弄されてしまいます。
ここで発見したこと!ブリキの木樵りにはブリキのまぶたがあったんですね!細かいなぁ。さすがクー・クリップさんだなぁ。(まだこの作品には出てきてませんけど)
運悪く(まさかこれも実はモンビの魔法?!)、木挽き台の馬がウサギの穴に足をとられて脚を折ってしまいます。
一同がどうしようかと座りこんで思案していると…変な生き物が近づいてきました。ムシノスケ教授の登場です。(まだこの時点では「教授」ではありませんけどね(^^))ちゃっかり名刺も持ってます。ムシノスケ、やるなぁ。(^^)
しかし、あらためて今回、ムシノスケ教授の体のつくりをしっかり読みましたが、「胴体がひらべったくて背中側はつやのあるこげ茶って、それってまるでゴ○○○(書くのがいやなので伏字にさせていただきます)(>_<)我慢して読んでいくと、ほかの特徴は違ってて、ほっとしました。よかった〜。
着てる服がこれまた個性的なんですよね〜。a vest of white duckって何かな?と思ったら、佐藤高子さんの訳では「白いズックのチョッキ」となっています。ズックって言われると、私は靴しか思いつかなくて…duckというのは薄いキャンバス地をあらわしているらしいです。
googleで"vest duck"を画像検索で、plushのニッカボッカ。フラシ天(プラシ天と書かれることもあるようです)と訳されるようですが、これってなんだろう?とまたまた検索してみました。インターネットってほんと便利ですね。
英語wikiで「plush」を検索ビロードの一種で、ぬいぐるみなどに使われるやわらかいふわふわした生地のようです。
なあんかねぇ?絹の裏地がついている燕尾服の下に、ズック地のベストもヘンだし、フラシ天のニッカボッカはさらにヘン…じゃないですか??シルクハットも持ってますしね。
で。ムシノスケの身の上話を聞こうと、すっかり乗り気な一行。
おーい!そんなことしてる場合じゃないんじゃないの?!急いでエメラルドの都に帰る途中じゃなかったの〜?!前の章で「Time is precious just now」って言って、急いで旅支度をして出てきたのに〜!
でもね、こういうところが「オズ」なんですよね〜。(^^)
のんびりとムシノスケの長い話が始まります。
- 2009/11/01(日) 22:04:52|
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この章はタイトル部分からちょっと気になりました。ニッケルって…ブリキの木樵りはいつもTin Woodmanって書かれてますよね。Tinはスズ。ニッケルではありません。まあ、彼の本名のNick Chopperですけど。
tinとnickelってどう違うのかな?とふと思いました。日本語でいえば錫(スズ)とニッケル。ブリキは正確にはスズをめっきした鋼板のことらしいです。(wikiより)
で、まあ、あれこれ調べたところ、わかったこと。
・どちらも中の金属の腐食を防ぐために使われる。
・スズめっきには下めっきをしないとウィスカと呼ばれるものができてしまうことがあり、ニッケルめっきではそれが起こらない。
・硬度にも違いがあって、スズはとてもやわらかい金属だが、ニッケルは硬い。(コンセントの先にはニッケルめっきがよいが、電子部品のリード線部分には使われない。曲げると割れてしまうことがあるから)
はい、自分でも、私は何を調べているんだ?…って思います。(^^;)
で、オズの話に戻りますが、
皇帝になって、ニックは、より硬度の高いニッケルを使うことを覚えた、と、結局そういうことでしょうか。でも、じゃあもう「ブリキの木樵り」じゃないじゃん!…というツッコミはなし、ですね、はい。
チップが「なんでウィンキーは王国(kingdom)なのに『皇帝(emperor)』っていうのさ」っていうのも、白状しちゃうと実はあんまりぴんときませんでした。王が治めるのが王国で、皇帝だと帝国、なんですよね?でもその違いがなんなのか、はっきり説明しろと言われると…ちょっと調べたけどよくわからなかったです。
日本では征夷大将軍は源氏の子孫となっているのと同様に(?)、皇帝は元をたどればローマ帝国につながるとかなんとか…そんなことらしいですが、興味のある方はご自分でお調べください。(^^;)
でもまあ、素人でもわかるのは、王より皇帝のほうが偉そうな感じ、ですよね。かかしはチップに「彼は王と呼ばれるより皇帝と呼ばれるほうが喜ぶからそうやって呼んでやっておくれ。なにしろ気位の高い男だから」のように言っています。
木樵りって、かかしよりずっと統治者に向いていたようですね。かかしが「つまらんつまらん」とくさっていた間に、善政でウィンキー人の心をしっかりとつかみ、信頼と尊敬を受けているようです。一方で、城を自分好みに飾り立て、自分の体を磨かせ、皇帝としての権利もちゃんと行使しているようです。かかし一行を迎えた時にもどこか威厳がただよっているような雰囲気。大法官に留守中の指示もきちんと出していますしね。
私、子供のころ読んだ時には、たぶんその尊大さがなんとなくイヤだったんだと思います。かかしのほうが偉ぶらないし、いい人っぽいなぁって。でも大人になった今では上に立つ者の大変さも少しはわかるようになりました。国のことより結局は自分のことばかりだったかかしより、国全体をきちんと見て治めている木樵りのほうが、ずっと大人ですね。(^^)
いくら重くても王様のしるしである王冠は決して手放してはいけないと、かかしに助言したのも木樵りです。
さてさて、ブリキの木樵りという強い味方を手に入れた一行は、エメラルドの都奪還のため、再び来た道を戻ります。
かかしくんはその帰り道でも、ほんとに、飾らないというか、気取らないというか。普通、王様と従者と馬が一頭だったら、王様が馬に乗りますよね?しかもかかしなんか、やわらかい足だから歩きにくいだろうに。ジャックに馬を譲って、落ちたり傷ついたりしないように気を配ってやってます。優しいなぁ。
- 2009/11/01(日) 18:08:52|
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一同、ウィンキーの国に入りました。
かかしは、前の旅を思い出して、「ああ、ここがドロシーさんが連れて行かれたところだ」だの、「ここでオオカミをやっつけたんだ」だの、思い出に浸っています。かかしや一作目からの読者にとっては懐かしい限りですが、チップやジャック、二作目からの読者にとっては「で?」って感じかもしれませんね。(^^;)
ジャックの不思議な思考回路についていくのはたいへんです(^^)木挽き台の馬もちょっとイライラしています。
カボチャの頭がおちて川をプカプカ流れていくところをチップに拾い上げてもらったのに、「濡れたままでも平気かしら」とか今度は「乾きすぎるのもよくないかな」なんて心配してます。顔がなくなっちゃうほうがずっと大変なことだと思うんですけど?!拾い上げてもらって最初に言う言葉は「Dear me!」じゃなくて、「Thank you!」でしょう?!とついつい母親目線で読んでしまいます。(^^;)
川に落ちたかかしの様子が、「冠がずり落ちてきて狆(ちん)のようになっている」と描写されています。狆って中国原産ですよね?でも、原文では「Japanese pug」と書かれています。ボームさん、ChineseとJapaneseの区別がしっかりできてなかったのでしょうか。
生身の体をもつチップのために、みんなで休息をとって夜を過ごします。
- 2009/10/26(月) 20:24:35|
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