
経産省と一部団体の利権のために計画されている SR 制度をボイコットしましょう。
SR制度、消費者の安心安全を担保する目的と謳っていますが、実際は昨年(2006年)のPSE騒動(経産省のミス)を誤魔化し、一部の業者・団体の利権の為、又新たな天下り先を確保するために設計されたとしか思えない内容です。
SR 制度は、経産省と家電製品協会が原案を策定、その後「産業構造審議会 消費経済部会 製品安全小委員会」で審議されてきました。一番の利害関係人である中古品販売事業者の代表として「中間法人ジャパン・リサイクル・アソシエーション代表理事」「中間法人日本リユース機構代表理事」が審議委員として参加されていますが、両団体は昨年3月24日、突然の合同記者会見で世間を驚かせた方が共に設立され、設立時経産省が積極的に尽力してきた団体です。
全国に約30万件ある古物商が加盟する団体の中で、全国質屋組合連合会(2261事業者加盟)、全国古物商組合防犯協力会連合会(37614事業者加盟)には「警察庁が所管しており、電気用品の安心安全の為では無く防犯の為に作られている」との理由で、参加要請すらされていないばかりか、SR 制度に関する意見交換会の案内も特定の団体にしか発送されていませんでした。果たしてこれで一番の利害関係人である中古品販売事業者の声を広く聞き、その声を反映させて設計した制度と言えるのでしょうか。
中間法人2団体の加盟事業者は多くとも1000事業者(リユース機構加盟30事業者・JRCA加盟数不明。実際は2団体で100事業者程度と思われる)。そんな2団体が全国30万事業者の代表として制度設計・審議した結果、SR 制度の認証機関という立場を勝ち取っています。SR 制度の加盟店が増えれば(制度の認証は3年ごとに更新が必要)、自動的に認証事務手数料等の名目で団体にお金が流れる事になります。
又SR 制度の検査については、家電製品エンジニア等の資格を有する者を点検責任者として配置するよう定められていますが、この家電製品エンジニアとは家電製品協会が認定している資格で受験料は18460円必要です。仮に合格したとしても5年の有効期限が過ぎれば再度受験が必要となる資格です。
何故審議会委員の加盟する特定の団体に、様々な名目でお金が流れる設計になっているのでしょう。それはお金を流す為に制度設計しているからと感じざるを得ません。本当に消費者のニーズを反映し、販売事業者が納得できる制度であるのなら必要かもしれませが、意見交換会で経産省から配布された資料には、調査方法、検査方法、調査実施数等全て明らかにされていない経産省に都合の良いデータだけが並べられ、担当者は声高に「消費者の安心・安全を担保する為」と説明するだけでした。
「消費者の安心・安全を担保する為」この言葉に聞き覚えのある方もきっと多いのでは無いでしょうか。そう、当時の経済産業省商務情報政策局消費経済部長であった谷みどり氏が政府参考人として委員会で何度も発言された言葉です。
平成18年5月17日内閣委員会において、谷みどり氏は次のように答弁されています。
旧法の時代は全数検査を義務づけておりません。その中で、どの事業者が本当に検査をしたのかどうかということを知り得る手段がありません。このような状況のもとで、しかも、大企業すべての、大企業だけではない、中小企業も含めてすべてが検査をしているということを証明することはできません。その中で、私どもは、今回の法律では、すべての電気用品、対象となっている製品については、少なくとも一回、漏電しないという検査をすることを義務づけることによって、しかも、それを検査したということを明らかな形で消費者の目に触れるようにマークをつけることによって、国民の安心、安全を保てる、これは重要な立法の根拠であると考えております。
証明する事ができないと言っていたのは経産省ばかりではありません。平成十八年六月十五日川内博史議員提出の主意書質問第三六九号に対し次のように答弁されています。
経済産業省が一部の電気用品の製造事業者から過去の絶縁耐力検査の実施状況を聴取したところ、当該検査を全数について実施していたがその証拠となる記録が全部又は一部残っていないとの回答や、当該検査を全数について実施していたか否か不明であるとの回答が多く見られた。いずれにせよ、整理合理化法による改正前の旧電気用品取締法においては、乙種電気用品について絶縁耐力検査を実施することは義務付けられていなかったことから、すべての中古の電気用品について当該検査が実施されていたと考えることは困難である。
整理合理化法による改正前の旧電気用品取締法においては、乙種電気用品について絶縁耐力の全数検査は義務付けられていなかったことから、「ほとんどの製造メーカーの製造ラインにおいては、すでに絶縁耐力の全数検査が行われていたという事実」があったことを確認することは困難である。
主意書答弁は政府が閣議決定し総理大臣名で出されたものです。つまり当時の総理大臣である小泉純一郎氏が答弁者であり、当然当時の二階経産大臣も承認されている答弁です。
今回製品安全小委員会から出されたとりまとめ(案)では、僅か5社の調査結果により「全数について検査を実施していることが分かった。」と報告され、経産省はその報告を受け証明されたとしています。「すべてが検査をしているということを証明することはできない」「全数検査が実施されていたと考える事は困難、確認することは困難」、それに基づき「すべての電気用品、対象となっている製品については、少なくとも一回、漏電しないという検査をすることが国民の安心、安全を保つために必要である」とのこれまでの答弁とは明らかに異なる内容・判断です。
もし製品安全小委員会からの報告で証明・確認できたのであれば、谷みどり氏の発言は一体なんだったのでしょうか。閣議決定した政府答弁は一体なんだったのでしょうか。経産省・政府は約1年半もの間、間違った情報を発信し続け、販売事業者の財産を奪い、職を奪い、まだまだ使える電気用品をゴミにし、国民に多大な被害を与えてきた事になります。そればかりか経産省は、間違いを決して認めないまま「消費者の安心・安全を担保する為」と大義名分の基に、目先を変えただけの制度を作り、利権・天下り先を確保しようとしています。
本来中古品市場は販売主と消費者の信頼関係で発展してきたものであり、それぞれの販売主の経験に基づき、商品の状態を消費者に伝え、双方納得の上で取引されてきました。おかしな商品を売れば、対応が不味ければ、大多数を占める従業員4名以下の小さな事業所はたちまち地域での信用を失い、事業を続ける事は難しくなって行くでしょう。ですから消費者に納得して頂ける様、十分説明した上で販売されてきたはずです。例え正常に動作しないものでも、ジャンク品として購入したい消費者も存在します。
SR 制度は強制力の無い任意制度とは言え、国が「消費者の安心・安全に配慮したSRショップ」として御墨付きを与えバックアップする事は、非加盟店があたかも「消費者の安心・安全に配慮せず危険な商品を販売しているショップ」であると、マイナスの御墨付きを与える事になります。この点について経産省は意見交換会の席上「それは仕方無い、消費者の判断ですね。まあ安ければそっちのほうが良いって事もあるでしょうし。安心安全がよければそっちのほうが良いでしょうし。」との発言だけで済まそうとしています。
SR 制度に加盟するためには申請料・家電製品エンジニア受験料が必要なのですが、それ以外にも検査記録は電磁的方法で3年間保有する事になっており、IT 環境を持たない事業者は先ず環境を整備する必要があります。又その操作方法を覚える必要があります。これらにかかる費用は事業者にとって大きな負担になるでしょうし、結果的に商品価格に上乗せされるでしょう。
SR 制度の周知には当然税金が使われます。マイナスの御墨付きであっても税金が使われます。加盟しない・できない事業者を税金を使って苦しめ、又事業者を廃業させたいのでしょうか。そんな制度が必要だとは、どうしても思えません。
ここにSR 制度のボイコットを提案します。
あくまで意思表示です。デモやチラシの作成・配布等OFF活動は予定していません。ご自身の WEB SITE ・ WEBLOG ・ SNS ページ等で意思表示される方を募ります。
「消費者の安心・安全を担保する」これに反対するつもりはありません。SR 制度をボイコットする=安心・安全に配慮する必要が無いという事でもありません。「PSE 騒動から SR 制度への流れ」でも記載しましたが、販売事業者と消費者が共に納得し売買を行う事が、もっとも必要な事であり、その為には販売事業者が積極的に情報を開示する事で十分です。
販売店其々が必要と考える情報を消費者に開示し、又消費者は積極的に必要と思う情報の開示を求める。双方が納得できるのであれば取引をすれば良いわけですし、消費者は求める情報が開示されない等納得できなければ購入しなければ良いのです。仮に動作しない電気用品でも、ジャンク品として購入したい消費者はいますし、優れたデザインのものであれば置物として購入する消費者もいるでしょう。全ては「双方が納得できるのか」だけです。
これは、長年事業を営んできた販売事業者であれば、既に行ってきた事であり、よって対案は「これまで通り、これまで以上に情報を開示する」だけです。
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